口よりも手を動かせ、今できる努力を全力でしろ
現在、私はハード系のパンを製造する部署で働いています。当部署は、日本で唯一本格的なハード系パンのライン製造ができる部署です。厳選された最新鋭の機械が海外から輸入され、ひきが強く、バリっとした皮目のハードパンを作る事ができます。また、省人化・自動化も図れており、当部署では4人で1時間9000本のパンを作る事ができる生産能力を持っています。 私は8か月の研修を終えた後、当部署に配属され、現在はサブリーダーを努めています。パンの製造とパートナーさんの管理といった基本業務の他、ライン全体の管理や部署を牽引するリーダーのサポートを日々行っています。また最近では人材育成やマニュアル化にも力を入れており、部署全体のスキルアップや、部署の皆が安定して良品製造できるよう工夫しカイゼンする事にも努めています。 パン作りは非常に奥が深く、一朝一夕ではうまくいかない事も多いですが、皆で意見を出し合い、どうすればもっと質の高いパンが作れるのか、常日頃から考えて試行錯誤しながら仕事を行っています。
この会社を知ったきっかけは、大学時代の先輩が武蔵野フーズに入社していたからです。その先輩から、この会社がセブン-イレブンと取引をしている事、金の食パンといった世間から広く認められている商品を作っている事を聞き、すごい会社だなと感じたのが第一印象でした。また、調べていく内に、グループ会社がツナマヨや海苔の食感を損なわない個包装のおにぎりを初めて作った事、食の以外にも、ホテルやゴルフ場の運営もやっていると知り、とても興味が湧きました。武蔵野グループは独自の強みを持っていましたし、運営している事業も多岐に渡り非常に面白い会社だと思ったので、入社しようと思いました。 また、私は学生時代に食品科学について学んでおり、微生物による発酵をメインテーマとして研究していました。パンは複数の化学反応や微生物の発酵が複雑に絡みあって作られる食品です。自分が学生時代に学んできた事がこの会社でなら最大限活かせるのでは、と思ったことも要因の一つです。
私は学生時代に食品科学や、微生物による発酵について勉強していました。そのため、学生時代に勉強してきたことが仕事で非常に役に立っています。 生地の仕込みでは、ミキシングによってグルテンの膜をいかに作るかがポイントの一つになります。ミキシング不足でグルテンの膜がしっかりできていなければ生地は膨らみませんが、ミキシング過多でもグルテンの膜が壊れ、生地が膨らまなくなってしまいます。そのため、ミキシングの時間や加水量をよく考えて生地を仕込まなくてはいけません。発酵の工程では、イーストが糖を分解して炭酸ガスとアルコールが十分に出されなければいけませんが、発酵過多になると焼き色が付きにくくなったり、発酵臭が強くなってしまいます。そのため生地の温度や発酵時間に注意しなければいけません。焼成の工程では、でんぷんの糊化やメイラード反応・カラメル反応が関係しています。パンの食感や焼き色をコントロールするためには、焼成温度や時間に気を付けなければいけません。 このようにパン生地は複数の化学反応と微生物による発酵によって構築されているため、非常にコントロールが難しい上に、生き物のようにデリケートです。しかし化学的な知見を持っている事で一つ一つの現象への理解が増し、うまく生地のコントロールが出来るようになります。そうなると、仕事が楽しくなりますし、パン作りの奥深さを堪能できるようになります。
弊社でよく言われているのが、「社員は会社に改善改革をしに来ている」という言葉です。製パン事業の現場作業では、どうしても重い物を持ち上げたりといった肉体労働が避けられません。しかし、その問題を放置していれば作業者の負担になりますし、いずれは作業ミスや労災につながる可能性だってあります。そのため、社員は考え、カイゼンを施すという事が重要になります。私も、部署の作業で問題を見つけたら、何かもっと良い方法はないか、常に考えるようにしています。例えば重い原料をミキサーに投入しなければいけない時、原料の移動には台車を使い、また台車から原料を持ち上げる時に腰に負担がかからないよう、台車の高さを調整しています。些細なカイゼンですが、同僚からも受け入れられ、「作業が楽になった」と言われた時は嬉しかったです。皆で協力しながら自部署をよりよくしようと努力する姿勢や、ささいなものでも自分が出した案でカイゼンに貢献できた時の喜びは、かけがえのないものです。
私は本配属当初、仕事については分からない事がいっぱいありました。製パンについての知識も浅く、またハードラインは武蔵野フーズ唯一のラインなので、ハードならではの特徴的な要素が多くあったためです。例えば、生地を伸ばすローラーだけでも、横方向に伸ばすローラー、縦方向に伸ばすローラー、縦横両方に伸ばすローラーの3か所もあり、それぞれどんな役割があるのか分かりませんでした。そのため、生地の成形が悪くなってもどこが原因なのか、どこを調整すれば良くなるのか全然分からず、不良品(ロス)を多く出してしまう日が続きました。しかし、ラインの先輩たちは熱意を持って指導してくださり、生地の性質や製パンの理論、成形ラインの仕組み等、基礎から応用までしっかり教えてくれました。私自身もその熱意に答えようと、日々仕事の中から多くの事を経験し、学ぼうとがむしゃらに努力しました。先輩方の指導と自身の努力の甲斐あって、少しずつロスの割合を減らせるようになりました。また、学生時代の知識を仕事に結び付けられるようになると、一つ一つの問題を理論立てて考え、対策できるようになりました。 最終的に、周りの社員がなかなかロスの割合を1%未満に下げる事ができなかったアイテムについて、自身で原因を考察し、対策を練った結果、0.8%まで下げられた事は印象に残っています。
弊社の魅力は、社員の人材育成にかける熱量と、新たなる事業へ挑戦し続ける姿勢だと思います。 弊社の新入社員の研修は8か月と長い時間をかけて行われます。その中で新入社員は、様々な部署での仕事を勉強する事ができます。他にも、研修の中では他工場と合同研修をしたり、工場見学をしあう機会もありました。また弊社は、パンについての勉強を促すために、パンシェルジュの受験も推奨しています。 パンシェルジュとはパンについての知識を習得できる検定なのですが、合格すれば受験費用が会社から返金されます。このように、弊社は人材育成について高い熱量を注いでいます。 新規事業については、弊社は低温長時間発酵の食パンから始まり、金の食パン、コンビニの揚げたてカレーパン等、これまで市場になかった分野を切り開き、パイオニアとなってきました。今現在も、コンビニのサンドイッチ市場に、フランスパンを使ったサンドイッチという分野を切り開こうとしています。決して現状に満足せず、未開拓な分野を切り開こうとし続ける姿勢は、弊社の魅力です。
将来的には、発酵種の研究に挑戦してみたいなと考えています。発酵種とは、その名の通り発酵の種になるもので、イーストや乳酸菌といった微生物を水や小麦粉等と混ぜて作られる培養物です。昔はパンを膨らませる、発酵の大元として使われていました。現代では、発酵種はほとんどパンの風味付けや機能性・製パン性(生地のもっちり感や伸展性)の付加という用途に用いられています。風味付けや機能性をパンに持たせられれば、パンの特徴づけに寄与し、付加価値をつける事ができます。他社のパンにはない、独自の風味や食感は、強いアピールポイントになります。製パン製が向上すれば、生産現場での作業効率が上がり、生産性が上がります。会社の利益にもつながりますし、作業者の負担軽減にもなります。 上述した機能以外にも、発酵種には様々な可能性が含まれています。どの微生物をどの原料と一緒に、どう培養するか、といった組み合わせ次第で、可能性もまた無限大に広がっていくと考えられます。私は入社当初から、その可能性に強く魅力を感じていました。発酵種の可能性を引き出し、使いこなす事で弊社のさらなる発展に貢献していければな、と考えています。
就活中の皆さんの中には、「自分は何に興味があるか分からない」という方も多いのではないでしょうか。私は正直いうと、入社前はそこまで製パンに興味があったわけではありませんでしたし、自分が学生時代に培ってきた知識が活かせる場面はあるのだろうかと、不安になる事もありました。ですが、入社してから製パンに触れていくごとに、その奥深さにのめりこみ、楽しめるようになりました。また、想像以上に学生時代の知識が役立つ場面が多く、それがまた仕事の面白さに繋がっています。このように、自分が興味を持てる、おもしろいと思える仕事は思いもよらぬところにあったりします。先入観や周りの情報にとらわれすぎず、色々な事にチャレンジする事が大事だと思います。加えて、今できる努力を謙虚に続けていくと、自分が興味を持てる仕事に巡り合える可能性が高まるのではないかなと思います。 製造現場は、メーカーにおける第一線です。製造現場無くしてメーカーは成り立ちません。現場仕事に対して良いイメージを持っていない方もいるかもしれませんが、そこには確かなやりがいと成長の実感が満ち溢れています。また、現象に対して分析と改善を繰り返す仕事は、理系の人なら特に楽しめるかと思います。
商品開発 首都圏商品開発部 楽しむ、楽しませる
商品開発 首都圏商品開発部 「継続は力なり」
品質管理 千葉工場 我以外皆我師
製造管理部門 京都工場 想像なくして創造なし
品質管理 本社品質保証部 笑う門には福来る
営業職 営業部営業課 「できること」 が増えるより 「楽しめること」 が 増えるのが、いい人生
製造管理部門 埼玉工場 初心忘れるべからず
製造管理 神奈川工場 潔く真似て、 快く真似してもらう
商品開発 首都圏商品開発部 艱難汝を玉にす
商品開発 営業開発部 部長 為せば成る、為さねば成らぬ何事も
品質管理 カムス第三工場 消極的な言葉で 自らの心を弱めない
製造管理部門 カムス第三工場 口よりも手を動かせ、 今できる努力を全力でしろ
「これまでの」 武蔵野グループと 「これからの」 武蔵野グループをご紹介します。